第三者によるクリニック承継
本日は、後継者のいない医師が第三者に医院の事業を引き継ぐ「承継開業」についてお話致します。
後継者のいない医師が、血縁でない第三者に医院の資産を引き継ぐ医療承継の場合、資産をどう引き継ぐかが契約のポイントとなります。
また、承継する側は承継患者数の見込み、譲渡条件の設定、法人の場合は出資持ち分、スタッフの処遇、引き継ぎ期間、PR活動などを順序よく交渉していく必要がありますが、成功の秘訣は相互の医師の信頼関係にあることを忘れてはなりません。
以下、承継をスムーズに進める際の売り手側、買い手側のチェックポイントです。
【売り手側】
① 承継する資産・負債の決定(不動産を譲渡するか、賃貸するかの判断)
② 承継金額(譲渡金額・賃借料)の決定
③ 手取額、納税額の見積り
④ 契約書(譲渡契約書・賃貸契約書)の締結
⑤ 諸官庁への届出、取引先への連絡
【買い手側】
① 承継金額に必要な資金調達をする
② 承継金額の妥当性検証のため買収監査等を検討する
③ 帳簿、決算書などでは確認できないリスクを検討する
④ 契約書(売買契約書、賃貸借契約書等)のチェック
⑤ 諸官庁への届出
⑥ 承継後の医院運営の目処を立てる
承継開業の場合、開業当初からある程度の患者数が見込めること、一般的に開業初期投資額が新規開業の場合に比べて低く抑えることができるというメッリトがあります。そのため、今後の開業スタイルとして増加することが期待されるでしょう。