業務の外注化
近年、医療関連ビジネスの発展により、様々な業務の外注化が進んでいます。
本日はこの医院開業における業務の外注化について、ご紹介致します。
■調剤(医薬分業)
院外処方箋の発行は義務づけられている訳ではありませんが、経済的に様々なメリットがあるため医薬分業が進んでいます。
これには次のようなメリットが挙げられます。
① 院内処方の場合に比べてスペース、在庫や人件費などのコストを削減できる
② 診療報酬の請求額から薬剤料が除外されるため、個人経営の場合で保険診療収入が年間5,000万円以下となるケースでは「概算経費率」を適用することができ、所得税の節税につながる
③ 患者さんが薬剤師から直接薬の服用について指導が受けられる
■検体検査業務
院内で十分な検体検査を行うには、必要な設備への投資や検査技師を雇用しなければならず、また検査に必要な薬品の購入事務などにも手間がかかります。
そのため、外注化するメリットは大きいと言えます。
ただし、検体検査は診断行為に大きな影響を及ぼすものであるため、コストだけではなく品質面の信頼性を検討する必要があるでしょう。
■医療事務、経理・税務事務
(1)医療事務
レセプトの請求や経理事務といった医療事務を行うスタッフについては、派遣業者などに依頼をして人材を派遣してもらうという方法での外注化が多く活用されています。
これには次のようなメリットが挙げられます。
① 人件費を抑えることができる
② 労務管理に費やす時間や手間を削減できる
③ 事務効率を上げることができる
ただし、場合によっては正規採用の方が資金面で良いケースもあるので、派遣業者との十分な交渉により優れた人材を確保できるよう取り組むことが重要だと言えます。
(2)会計事務
普段の会計事務に加え、税務申告や税務相談なども外部の会計事務所に依頼し外注化されている医院がほとんどです。
開業時から長いお付き合いになるため、医院と事務所が近いこと、年齢の近い税理士・公認会計士を選ぶことなどがポイントです。
■ホームページの制作・更新業務
開業の準備や、開業後の診療などで忙しいとなると、医院のホームページ管理はなかなか大変な作業です。そこで、ホームページに関しては製作から更新・維持といった管理の面において、専門の業者などに依頼するケースが一般的です。