医院開業のスタイル
医院開業にあたり用意しなければならない資産は以下の4つがあります。
① 土地
② 建物
③ 医療機器/什器備品
④ 運転資金
この4つの資産を誰が用意するかによって医院開業のスタイルが決まります。
医院開業のスタイルは大きく5つに分かれます。
■一戸建て開業:上記4つの資産をすべて自分で用意する開業方法
メリット
・医院開業にとっては理想的
・自由にレイアウト設計が可能
・住居併用住宅にすればかかりつけ医としてもイメージ向上
デメリット
・土地を購入するため、初期投資額が一番大きくなる
・よほどの自己資金がないとその後の融資返済を含め、採算が合わなくなる
■借地開業:土地を借りて建物を自分で建てて開業する方法
メリット
・土地の取得費がかからない
・建物は自己所有のため、自由に設計できる
デメリット
・土地が借地なので建物の建築費用に対する金融機関の融資を受けにくい
■レントクリニック:土地所有者が自らの土地に医院を建築し、開業希望の医師に賃貸する方式
メリット
・医師側の自己負担が最も少なく済む
デメリット
・開業後のランニングコスト(家賃)がずっとかかってくる
・中途解約時に借主側の資金負担が発生する可能性あり
■ビルテナント:駅前のビルなどに入居して開業する方法
メリット
・交通アクセスが良いため、診療圏の広い科目、専門性の高い科目、通院頻度の高い科目の開業に向いている
デメリット
・入居時の保証金が高額となるケースがある
■医療モール:複数の診療科目の医院が1つのビルに集まって開業する方法
メリット
・患者にとっては1カ所で専門的な治療を受けられる
デメリット
・他医院の評判が自医院にも影響する可能性がある
・治療内容によっては医療モール内で患者の奪い合いがおき、先生間の仲が悪くなってしまう場合がある
このように開業スタイルによって種々のメリット・デメリットがあるため、自己資金・診療方針などと照らし合わせて慎重に判断する必要があります。
また優良な物件はなかなか表に出てこないので、地元金融機関等へ紹介を依頼するのも一つの方法です。