お年寄り・障害をお持ちの患者さんに対して
医院に訪れる患者さんの中には、お年寄りの方や障害をお持ちの方もいらっしゃることでしょう。そのような方たちに対し、医院側としてどのような配慮ができるのか、考えてみましょう。
1、スタッフの教育
簡潔に言えば、スタッフの気遣い一つで患者さんに良いイメージを持ってもらうことができるということです。
例えばある2つの医院があったとします。A医院はもう長年診療を続けており、建物や設備なども老朽化が見られます。スタッフに対する教育はしっかりされており、患者さんへの配慮も行き届いています。一方のB医院もA医院と同様に長年診療を続けていますが、数年前に建物内をバリアフリー設計にし古い設備も新しくしました。スタッフに対する教育はあまり徹底されておらず、改善すべき点は多々みられます。
このような場合、お年寄りや障害をお持ちの患者さんにはどちらの医院の方が良いと思ってもらえるでしょうか。B医院の方がバリアフリー設計で患者さんには嬉しいようにも見えます。当然そういったハード面の要素も大切でしょう。ただA医院には、スタッフが患者さんに対して色々な気遣い・心配りができるというソフト面の要素があります。ここを最大限に活かし、スタッフがにこやかにお手伝いをしたり手を差し伸べてあげることで、バリアフリーでなくても十分患者さんに喜んでいただくことはできるのです。
2、障害をお持ちの患者さんの疑似体験
実際、健常者であれば障害のある方が日頃感じていることに気付くのは難しいでしょう。
あえてそういった方たちの疑似体験をすることにより、どのような接し方・対応をしてもらうと嬉しいと感じるかを実感できます。また障害のある方だけではなく、一般の患者さんに対しても優しく接することができるようになるはずです。
身近な道具を用いて、ロールプレイ形式で試してみましょう。例えばアイマスク(視覚障害)や耳栓(聴覚障害)などを装着し、入口から受付→待合室→診察室→待合室→お手洗い→受付→出口と動いてみます。その時感じたことをスタッフ全員で話し合い、どのような点で困ったか、またどのように接してあげるのが良いかを考えましょう。
こうしてスタッフ全員が患者さん目線に立つことができれば、おのずと患者さんに対し優しく接することができるようになるはずです。