• 医療承継

患者さんの視点で院内チェック その2

前回は患者さんの視点で院内をチェックしました。

今回は患者さんが来院された際、五感ではどのような感じ方をしているのかを確認してみましょう。

■味覚・触覚・聴覚・嗅覚・視覚の五感で院内をチェック

○味覚・・・あまり関係ないことと思われているかもしれませんが、口の中に入れるものは案外多いものです。たとえば「お薬の味」、待合室などで飲む「お水の味」、治療の場では口の中に入れる「舌圧子」などです。

患者さんの治療をする際に「ちょっと冷たいかもしれませんが」と先に言葉にしてご説明することで患者さんの不快感は減少します。

特にお薬は「ちょっと苦いかもしれませんが・・・」などと説明することで味覚にもやさしいクリニックになることでしょう。

 

○触覚・・・手だけではなく「皮膚感覚」を大事にします。

スリッパの破れや内部のほこり、足元を通る冷たい風、待合室のイスの質感や聴診器の肌に当たるときの感触、枕カバーやシーツの質感など、頭から足先まで守備範囲はとても広いです。

 

○聴覚・・・BGM、テレビ、患者さんを呼ぶ声、スタッフの話し声、携帯電話の話し声など気になる音はたくさんあります。

なかでも、患者さんは中待合で待っているときや点滴中は聴覚が鋭くなっているので、器具をガチャガチャ音をたてて取り扱ったり、プライベートな会話をしたりしないようにしましょう。

 

○嗅覚・・・内部にいる人間には気づかれないことが多いので、客観的な方にお願いをしてチェックしてもらい、においの発生源に対する対策と、アロマのようにプラスする2つの対策を考えます。

トイレや強いにおいを発する薬品に対しては換気扇や空気清浄機を設置しましょう。香りのプラスは患者さんの気持ちを和らげる効果もあるので、アロマの小道具は見た目もおしゃれなものが多く楽しめます。「病院におい」というのはクリニックのイメージを決めてしまいますので、リラックスできる香りを心がけましょう。

 

○視覚・・・患者さんの動線に沿ってチェックをします。

駐車場から入口までの案内、玄関の汚れ、受付時間や理念をアピールしているか、患者さんの個人情報が他の患者さんの視野にさらされていないか、待ち時間を短く感じられる小物が用意されているか、床、壁、照明と自然光のバランスなど、これらのハード面の工夫と「患者さんとお話しするときには視線を合わせる」「清潔感のある身だしなみを心がける」など、ソフト面でできるスタッフの視覚も重要です。

無意識なのに最も患者さんの気持ちを左右するのが視覚です。すこし手間はかかりますが、道路入り口から診察後帰られる出口まですべての色や形などをチェックしてみましょう。

 

 

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