人件費の適正化
医療機関にとって最大の出費は人件費で、支出の約半分を占めます。人件費を抑えることができれば経営はかなり楽になりますが、逆に支出を管理するのが最も難しいのが人件費でもあります。
では、医療機関が人件費を適正に管理するにはどうしたらよいでしょうか。この問題は、単に賃金制度だけでなく、評価・昇給・福利厚生を含めた包括的な人事制度として捉える必要があります。
具体的には、公平性・納得性のある人事考課制度と、直接報酬以外の従業員還元が大事です。
例えば、スタッフから給与が少ないというクレームがあがってきた場合でも、きちんとした人事考課で説明ができれば、それなりの理解を得ることができます。また、月々の報酬を上げるよりも、勤務時間の柔軟性や福利厚生によって対応するほうが、従業員のロイヤリティが高まる場合もあります。
何よりも、やる気と能力のあるスタッフの割合が増えることで、スタッフ一人一人の生産性が上がり、離職率が下がることで採用コストが抑えられることが大きいです。
人事管理を、給与制度だけでなく多面的に捉えることが、結果として人件費の適正化につながると考えます。