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開業2年目以降のチェックポイント ~その2

さて、今回は前回に引き続き、強固な経営基盤を作る重要な時期である2年目以降の重要項目とチェックポイントについてお話しさせて頂きます。中でも運営面・資金面を取り上げご紹介します。

【運営面】
1、建物や設備、医療機器の稼働に問題はないか
もし仮に何か問題が発生した場合、その原因が以下のどのパターンに該当するかによって対応が異なります。

① 開業前の設計などに起因する
② 機械業者などのサービスに起因する

①の場合、そのうち医療内容に直接かかわるものであれば最優先で対応すべきです。また、②の場合には正当な範囲内で厳しく要求する必要があります。

2、業務委託の状況
業者と職員との間で甘えや甘やかしの関係になっていないか、よく注意する必要があります。職員が知っていても院長が気付かないというケースもあり得ます。

3、患者サービスが低下していないか
患者数が順調に伸びていくと職員が多忙になり、患者サービスの質が低下してしまうことがあります。「いつも見られている」という緊張感を維持するためにも、定期的に患者アンケートを実施することは非常に有効です。

また日頃より、患者からのクレームや要望などがあればきっちり院長へ報告するという習慣を定着させることが大切です。例えば朝礼などの場を設けるのも良いでしょう。「報告がなければ責める、クレームがあっても責めない」というスタンスを意識づけると、改善が長続きしやすくなります。

4、広告宣伝のあり方
まず広告したい項目を整理しましょう。例えば開業前の想像と、開業後実際の患者の状況とが違っていれば、広告したい項目は違ってくるはずです。また、誰に対して広告するのが効果的なのかを確認し、どのような方法で広告すべきかを考えましょう。

5、院内ルールを見直す
開業当初に一旦決めたルールも、その後実際に運用していく上でやりづらい場合も出てきます。例えば診察中に電話がかかってきた場合、相手によってどのように対処するか。ご家族からであればすぐに出る、業者からであれば用件を聞いておくなど最初に決めておきますが、実際にはもっとこうする方が良いという点が出てきたら、そのルールを見直すと良いでしょう。半年あるいは1年後くらいが望ましいです。

6、業務の流れを見直す
院内での業務には、少なからず欠点が存在します。その欠点を少しでも減らしていくために、職員に改善意識を持ってもらうことが重要です。職員の自主的な考えを尊重し、職員の間で改善策を話し合う雰囲気をつくっておきましょう。

話し合いの際には、職員間での犯人探しのような表面的な解決とならないよう気を付けます。原因を検討させ、改善につながるよう院長がリーダーシップを発揮することが大切です。

7、電子カルテへの切り替え
開業後1年以上経過してから切り替えるとなると、患者数が増え切り替え自体が困難になる可能性が高いです。切り替えはそれまでの間にしておいた方が良いでしょう。

8、特定の職員に対する業務集中への対処法
医院では規模が小さいことから、能力や積極性の高い職員にどうしても医院内の業務が集中してしまう傾向があります。そのため、個々の能力に応じ業務を与えていく方法の方が現実的だと言えるでしょう。

この場合、業務内容とその担当組織とを固定しすぎない方が良いです。「○○さんの指示に従ってください」ではなく、「○○さんを中心に進めてください」という伝え方にすると、穏やかに進めやすくなります。

9、人間関係の問題
人間関係について問題が生じないようにするためには、次の3つの点に注意しましょう。

①日頃より院長自身の言動に最新の注意をはらう
②定期的に職員との打合せ会をする
③退職する職員に本音を聞く

①については、気付かないうちに職員に対する言動に差が生じていないか、指導不足になっていないかなど、自分自身で振り返ってみましょう。
②については、職員の要望や悩みなどを定期的にヒアリングすることで、解決に努力してくれるという姿勢が職員に伝わります。また院内のコミュニケーションも生まれます。
③については、もしかすると院長が把握できていない問題があるかもしれないため、じっくり聞いてみることが大切です。

【資金面】
1、開業後1年ほど経過して、思っていたよりも経営が厳しくなっている場合
(1)収入面における問題
開業前の事業計画と比較し、収入の伸びがどうかを検討します。財務面において、計画と実際とのズレがどのような影響を及ぼすか分析します。それによって、対策の仕方が明確になります。

(2)経費や生活費を見直す
収入が計画よりも少ない場合には、収入に合わせ支出を修正する必要があります。まずは生活費を削減します。次に事業における経費を抑えます。例えば材料費などの場合、慢性的にコストが高くなっているのであれば、一時しのぎではなく中長期的な対策を打たなければ解決しません。そのようなコストを上げている経費については、その要因を調べて根本的な対策を検討しましょう。

(3)普通預金の管理
普通預金については、日ごとの残高を管理しておきましょう。医院の場合毎月の入出金は動きがほぼ同じですので、その動きを把握しておけば資金繰りについても実感として理解できます。

2、資金面で余裕が生まれ、経営が順調である場合
開業後1年ほど経過して、経営がある程度安定してきたら医療法人化することを検討してみましょう。医療法人化することで、節税効果が期待できる場合もあります。

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