人事制度の仕組み
「人事制度」とは、職員を望ましい方向へと意識付けして育成し、経営戦略を実現することを目的としています。
この目的を達成するためには、次の3つの要素が必要です。
①職員に経営目標を伝え一人ひとりの役割を明確化すること
②オープンであり、納得性の高い評価システムを築くこと
③公正であり、メリハリのある成果配分システムを築くこと
これらの要素を考慮すれば、「成果の実現に向けて職員の勤労意欲を促し職員を育成すること」が人事評価の本質であると考えられます。
この本質は医院の規模の大きさに関わらず共通するものですが、人事評価を行う方法については規模によって異なります。
例えば規模の小さなクリニックであれば、「基準」をがっちり作るよりも「経営者の言葉」で伝える方が効果が高いと言えます。
では賃金体系はどうでしょうか。
賃金体系によって職員のやる気は違ってくるため、インパクトのあるひと工夫を加える必要があります。
まず賃金については次の3つの体系があります。
①前年支給額をベースに、人事評価結果と無関係に増えていくタイプ
②前年支給額をベースに、人事評価結果によって増加や減少の額が変わるタイプ
③前年支給額とは無関係に、人事評価結果によって大きく上下変動するタイプ
これらに、職員のやる気をアップさせるようなひと工夫を加えて賃金体系を整えます。
ひと工夫の内容は医院によって様々ですが、どのように貢献すれば評価されるのか、という点を明確にしておくことが非常に重要です。
あくまで個人的な好き嫌いなどによるものにならないよう、十分気を付けてください。
最後に、人材開発について触れてみましょう。
クリニックにおける人材開発とは、その医院の経営戦略を実現するため必要な能力や行動を磨き上げることです。
そしてそれを定着させるために、人事評価が大きな役割を果たします。
その必要な能力や行動は、人事評価により明らかになるためです。
すなわち、人材開発と人事評価をうまく連動させることが有効であるのです。
このように、賃金体系をうまく整え職員の勤労意欲を促し、人事評価をうまく利用して職員を育成し、最終的にクリニックの経営戦略を実現していくことができるような体制をつくっていくと良いでしょう。
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