医療建築の設計とデザイン
医院の設計は、来院される患者さんがスムーズに快適に利用できるよう、周辺地域の環境を活かして工夫する必要があります。またデザインについても、好感を与え、医院の診療方針や院長の人柄などを表現するようなものにすることが重要です。
どのような点に気を付ければよいか、ご紹介いたします。
【外観について】
まず建物と道路との関係や周辺の環境に配慮し、医院の出入り口、駐車・駐輪スペースなどを考えます。立地によって車での来院が多く見込まれる場合には、駐車場が必要です。駐車スペースはなるべく多く確保します。
また、自転車やオートバイの駐輪場も用意しておく必要があります。
駐輪場は意外と大きなスペースが要りますので、事前に検討して下さい。
デザインについては、周囲との調和を意識しつつ、自院の特徴も少し出すことによって存在をアピールすることが大切です。
同時に、医院建築に欠かすことのできない「上品さ」「落ち着き」「暖かみ」を取り入れます。
外装は耐久性が高く、メンテナンスのしやすい素材を選ぶとよいでしょう。
【内観について】
通路と診療スペース、受付・待合室をどのように配置するかは、患者さんの流れやスタッフの動きなどを考え、効率が良くなるよう配慮する必要があります。
また、患者さんが長時間利用する待合室などは、ゆったりとした空間をつくることも重要です。
主なスペースを設けるにあたって気を付けるべき点を列挙します。
1、玄関(出入り口)
バリアフリー化を意識する必要があります。
極力段差をなくし、出入り口は引き戸で自動ドアにするなどの工夫が必要です。
最近は、院内を土足式にしているところも少なくありません。
履き替え式にする場合は、段差をなくして土足部分と上履き部分とを色分けすると視覚的に分かりやすくすることができます。
2、お手洗い
清潔感を保ち、お花や小物を飾るなどインテリアにも配慮しましょう。
できれば男性用と女性用に分けた方がよいですが、難しい場合であっても車いす用の個室は必ず設置しておきたいところです。
また、患者さん用とスタッフ用とは原則分けておいた方がよいです。
3、待合室
患者さんが長くおられる空間なので、明るさと開放感を重要視します。壁や床、椅子などは落ち着きと暖かみのある色合いを選ぶとよいでしょう。
椅子に座ったとき他の患者さんと目線が合わないよう、椅子の配置を考えます。
また小さなお子さんのために遊べる空間などを設けてあげたり、お年寄りのために畳のスペースを設けてあげるといった工夫も喜ばれるでしょう。
4、受付
患者さんに分かりやすい場所につくります。受付からは、玄関や待合室を見渡せるのが理想的です。
カルテ置き場や診察室との連動がスムーズにいくよう、イメージしながら位置を考えましょう。
受付カウンターの下に少し荷物を置けるスペースを設けてあげると、親切です。
5、診察室
待合室からなるべく近くなる配置がよいでしょう。
また、診察室の出入り口から中が見えないような配慮が必要です。
スペースに余裕があれば診察室を複数設けて、患者さんを交互に案内できれば効率も上がります。
6、スタッフルーム
質の高い診療を提供するため、できるだけゆっくり休める空間をつくりましょう。
中には冷蔵庫やロッカー、ミニキッチンなどを設置します。
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