• 医院開業

入っておくべき「損害保険」商品

開業後、医院経営の存続・維持には損害保険が欠かせません。
なぜなら、医院経営においては大きく次のようなリスクが想定されるからです。

■医療事故・医療施設の管理に起因する訴訟
■火災などによる医院の焼失、誤作動による医療機器の破損
■院長の就業不能による収入減少

では具体的にどのような商品があるのか、みていきましょう。

1、日本医師会医師賠償責任保険(日医医賠責保険)
保険契約者を日本医師会、被保険者を日本医師会A①会員(一般の開業医)及びA②会員(日医医賠責保険に加入する勤務医)とするもの。
補償額は1事故1億円、保険期間中3億円が限度とされており、免責金額は1事故あたり100万円(同一医療行為につき)とされています。

2、日医医賠責特約保険
上記保険と比べ、補償額は1事故2億円、保険期間中6億円までが限度とされます。A会員以外の医師が医療事故を起こしたような場合、開設者・管理者としての賠償責任にも備えたいといったニーズに応えられるよう創設された保険です。

3、民間の医賠責保険
日医医賠責保険で補償がない部分のリスクをカバーしてくれるもの。
具体的には建物や設備の使用・管理に起因する賠償リスクなどが該当します。
加入後は患者側より訴えが生じた場合、「賠償金」「見舞金」「治療費」などの支払をしたり、それらの支払を約束することは、口頭・書面に関わらず付託されても保険の適用はありません。

4、介護保険事業者賠償責任保険
介護ビジネスを念頭に置いた開業をしているような場合、医師賠償責任保険の対象外となる内容に対応する保険。
訪問介護や訪問入浴介護などの福祉サービスが該当します。
これらのサービスにおいて発生した事故については、医師賠償責任保険と訪問看護事業者賠償責任保険での対応がきかず、介護保険事業者賠償責任保険が別途必要となります。

5、火災保険・地震保険
医院の資産保全のため、火災保険を付保する重要性は非常に高いです。
火災保険のうち「店舗総合保険」は火災以外にも、破裂・爆発・落雷・風雪災・ひょう災・水災などの天災、車の飛び込み、盗難も補償の範囲となります。
また、地震による火災や建物の倒壊には地震保険が必要です。
居住建物と家財の保険金額の30~50%の範囲で契約することができます。
ただし、医療機器(設備什器)には付すことができません。
テナントの場合には火災保険の建物は不要ですが、そのかわりに「借家人賠償責任特約」を付保する必要があります。
設備什器のリース物件については、リース会社が保険に加入しているため必要ない場合がほとんどです。

6、機械保険・動産総合保険
医療機器の偶然かつ突発的な事故に対する修理代・再取得などをカバーするもの。
店舗総合保険の補償範囲に含まれない誤作動、使用中に起こる破損などが該当します。
機械保険の場合、店舗総合保険と補償範囲が異なるため、同時付加が基本とされています。

ただ、医療施設包括機械保険で契約すると保険期間中に取得した機械設備も補償されるので一般的です。
一方の動産総合保険は店舗総合保険の補償範囲をカバーしているため、店舗総合保険の医療機器(設備什器)は不要となります。
医療機器がリースの場合には、修理代の負担が医療機関であるのかリース会社であるのか、事前に確認してから保険契約について検討しましょう。

7、所得補償保険
院長が就業不能になり、代診の先生の給与や職員への給与の支払、また借入金の返済やリース代の支払などが必要となるような場合のもの。
免責が通常7日、最高保険金額は300万円とされています。
入院期間だけでなく、一定の認定により自宅療養期間も対象となります。

8、長期所得補償保険
先にご紹介した所得補償保険は「就業不能」の場合にしか対象となりませんが、「就業障害」も対象とされます。
また補償のてん補期間が最長70歳までと、長期にわたり補償がされるという特徴があります。

9、政府労災保険
労働者を1人でも使用している事業主に対し強制している政府管掌の強制保険。
労災事故とは通勤退勤中の交通事故や就業中の血液汚染事故などが考えられます。
これらの事故により就業不能となった場合には、休業補償給付として平均賃金の原則60%が支払われます。

10、自動車保険
万が一開業医が加害者となってしまった場合、診療所の運営に大きく支障をきたす可能性があります。
人的・物的損害だけでなく、時間的・精神的損害をも軽減できる自動車保険を検討することが必要です。対人・対物の保険金額無制限、人的傷害の保険金額無制限、弁護士費用の特約(300万円を限度に補償)など、補償内容はできるだけ充実させておくべきです。

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