• 医院開業

利益計画と資金繰り計画

資金計画の最終ステップとして、「利益計画」と「資金繰り計画」とが挙げられます。
「利益計画」は、収入から費用を差し引くことで算定される利益に基づく計画のことをいいます。これに対し「資金繰り計画」は、実際のお金の流れに基づく計画のことをいいます。本日はこの2つの計画について、ご紹介いたします。

■利益計画
医業収入と医業費用とを見込み、その差額が利益となります。この利益に基づき、利益計画を作成します。その利益については、種類は大きく4つあります。(下記①~④)
①医業利益・・医業収入から医業費用を差し引いたもの
②経常利益・・医業利益から借入に関する利息を差し引いたもの
③可処分所得・・経常利益から借入元本の返済分を差し引き、生活費や貯蓄にまわすことのできるもの
④次期への繰越利益・・可処分所得から生活費や住宅ローンの返済分を差し引いたもの

これらを事前に予測しておくことで、開業後に立ち上げ運転資金が不足することなく資金繰りを行うことができます。また、経営が順調に進めば手元資金を増やしていくことも可能です。

■資金繰り計画
実際のお金の動き(収支)に注目してみると、先程ご紹介した利益計画とは少しズレが生じます。例えば収入であれば、利益計画上売上と捉えていても、実際にお金が入ってくるのは2ヵ月後であります。費用であれば、固定資産等の減価償却費は利益計画上費用と捉えていますが、開業後実際にお金で支払う訳ではありません。従って、利益計画に少し修正を加え、実際の収支に基づいて利益計画を作成します。

資金繰り計画の目的は、開業後、立ち上げ運転資金がいかに不足することなく回していくことができるかを確認しておくことにあります。開業後しばらくは「収入<費用」という赤字の状況が続き、その後「収入=費用」という時点を経由して、「収入>費用」という黒字の状況へと転じていく流れを想定した場合、「収入=費用」時点の金額はその医院ごとに異なります。つまり、その相違によって予め準備しておく運転資金の額も異なるため、個々の規模に応じた計画に基づき確認しておく必要があります。

先程例に挙げた収入や減価償却費について言えば、収入は売上の計上から実際の入金までの2ヶ月間を考慮に入れて資金の計算をしておくべきであり、減価償却費は開業前に所要資金として支払いが済んでいて開業後には支払いがないため、出金がないものと考えればよいことになります。

以上のように、「利益計画」と「資金繰り計画」両方の計画を立て、利益とお金の動きの両方について確認します。
資金計画については、ここまでとなります。これまで4回にわたって様々なステップをご紹介してきましたが、全て開業後の経営に関わる重要な計画です。
焦ることのないよう、慎重に進めていきましょう。

大阪市でクリニック開業・医療法人設立なら
大阪医院開業・医療法人設立センター

先生を成功に導く、
医療M&Aを二人三脚で。

「スポット対応を相談したい」
「非公開案件を参照したい」
まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ